バリ島の伝統芸能のひとつに、ワヤンクリという影絵芝居があります。この芝居では、インドの古代叙事詩「マハーバーラタ」や「ラーマーヤナ」といった演目が演じられます。
「マハーバーラタ」は、古代インドの宗教的、哲学的、神話的な叙事詩です。叙事詩というのは、物事や出来事を記述する形の詩、なのですが、簡単に物語と思っておけばいいでしょう。小説を含むこともありますが、一般的には民族の英雄や神話、民族の歴史として語り伝えるべき人物や関連事象が物語として語り伝えられてきたものです。特徴としては、口承文学として、吟遊詩人や語り部などが長い間語り伝えてきたという点が挙げられます。
現存する世界の叙事詩としては、最古のものでは「ギルガメシュ叙事詩」があります。メソポタミアに残る叙事詩ですね西洋ではホメロスの「イリアス」「オデュッセイア」など、そしてアジアでは、「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」などが有名です。また日本文学においては古事記や日本書紀が同様のものとして考えられます。それぞれの国や地域で精神的基礎を成すものといってもいいかもしれません。もっとも日本は影響が弱められたのかもしれませんが。
ぐっと新しくなりますが、「平家物語」などの軍記物も琵琶法師(日本の吟遊詩人)が伝える叙事詩的な口承文芸です。さらにアイヌのユーカラにも、英雄の冒険譚が多く含まれ、叙事詩的なものといえます。
「マハーバーラタ」は、「ラーマーヤナ」と並び称されるインドの2大叙事詩のひとつです。
バーンダヴァ王家とカウラヴァ王家の間に起こった同族間の戦いを主題とします。これにさまざまな伝承やヒンズー教の説話、詩などが加わり、信仰、道徳、哲学などを様々な表現形式で織り成していきます。
原本は、サンスクリットで書かれています。全18巻。これは聖書の4倍もあるのですね。
サンスクリットとは、梵語といわれました。古代から中世にインド亜大陸で公用語として用いられていました。現在もインドの公用語のひとつなんだそうですよ。驚きますね。ただ古典言語としてあり、日常語としての話者はほとんどいないようです。
日本では仏教関係の本によく出てくる言語ですね。これを日常語にしている人がいたら驚きます。お経の言葉で喋っているようなものです。
バリ島では、マハーバーラタやラーマーヤナを題材にした、影絵芝居がヒンズー教の寺院で行われています。
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